「スマホで写真撮るのが趣味」でも伝わる?履歴書で印象を残すための言葉選びのヒント

カメラ

就活や転職活動のなかで、履歴書の趣味欄に「写真」と書くかどうか──。
それがスマホ写真ならなおさら、「これってちゃんと伝わるのかな?」と迷う人は少なくありません。
でも、写真は“上手い・下手”を超えて、その人の心の動きが映るもの。
たとえスマホであっても、撮り続けていることには、ちゃんと意味があるはずです。
この記事では、履歴書に「写真・スマホ撮影」と書くときの言葉選びや伝え方について、
感性と言葉で人の心をほどく写真家・柚木晴真が、やさしく、具体的にお伝えします。

スマホで撮る「写真」は、趣味として履歴書に書ける?

趣味欄に「写真」と書く──それが一眼レフやフィルムなら、なんとなく“本格派”と見なされそうですが、
スマホだと「それって趣味って言えるの?」と、どこか引け目を感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
でも、そもそも「写真を趣味にしている」とは、どういうことなのでしょう?
それは、上手く撮れるかどうかではなく、「撮ろう」と思える瞬間があるかどうか。
スマホであっても、何気ない日常にピントを合わせ、光や影に反応し、心を動かされる時間があるなら、
それは立派な“写真”という表現であり、“趣味”と名乗るにふさわしい時間です。
ここでは、スマホ写真が履歴書でどう受け止められるか、その前提から丁寧に紐解いていきます。

趣味欄に求められる「伝わる」要素とは?

履歴書の趣味欄は、単なる“好きなことの羅列”ではなく、その人の価値観や視点がにじみ出るスペースです。
企業の採用担当者は、ここから「この人は何に心を動かされるのか」「どういう視野を持っているか」を探っています。
たとえば「登山」なら粘り強さや自然への関心、「映画鑑賞」なら表現や物語への感度を感じ取るように、
「写真」からも、観察力・審美眼・感受性・継続性など、さまざまな印象を与える可能性があります。
だからこそ、ただ「写真」と書くだけでは、伝わりづらい。
「なぜそれが好きなのか」「どんなときに撮るのか」「どんなふうに続けているのか」といった一言を添えることで、
その趣味にある“あなたらしさ”が、ぐっと浮かび上がってくるのです。

スマホで写真を撮ることの価値──気軽さと継続性

スマホ写真の一番の強みは、「特別な準備をしなくても始められる」ことです。
たまたま歩いていた道に光が差していたとき、カフェのテーブルにふと影が落ちたとき、
「あ、撮りたい」と思った瞬間にシャッターを切れる。
それは、“心が動いた一瞬”を見逃さない力とも言えます。
継続してスマホで撮っているという事実は、「美しいものを見つけようとするまなざし」を日常的に養っているということ。
また、「撮った後、SNSで発信する」「加工せずに自然光にこだわる」など、
小さなこだわりがあるなら、それも立派なエピソードです。
趣味は続けていることに意味がある──スマホだからこそ、“日常を見つめる習慣”としての価値を、胸を張って伝えてほしいと思います。

「上手くないけど好き」は、堂々と書いていい

「そんなに上手く撮れるわけじゃないし……」という理由で、趣味欄に写真と書くのをためらう人もいます。
でも、そもそも趣味は“評価されるため”にやっているわけではないのです。
むしろ、「上手くないけど、気づけばずっと続けている」ことには、その人だけの視点や愛着が込められています。
写真が「うまい」かどうかを判断できる面接官は、ほとんどいません。
だからこそ、安心して“あなたがどんなふうに写真を楽しんでいるか”をそのまま言葉にしてほしい
たとえば──

  • 「空を見上げて撮るのが好きで、気づけばスマホのアルバムが空の写真でいっぱいです」
  • 「季節の移ろいを感じるのが好きで、同じ道を毎月撮っています」

そんな表現があるだけで、あなたの時間の流れや心の動きが見えてくる。
それこそが、“趣味”という言葉にふさわしい“物語”なのです。

「写真が趣味」を言葉にする──心が伝わる表現のコツ

履歴書に「写真」と書くだけでは、ほんの数文字で終わってしまうけれど、
そこに込めた時間や気持ちは、人それぞれに違っていて、もっと奥深いもののはず。
この章では、「写真が趣味です」と伝えるときに、“ただの一言”で終わらせないための言葉の選び方を紹介します。
それは、うまく話すことでも、かっこよく見せることでもありません。
大切なのは、“どんなふうに好きか”を、ちゃんと自分の言葉で語ること。
その語り口の中に、あなたのまなざしや、誠実さが自然と滲み出てきます。

ありきたりにならない言い回しのアイデア

「写真が趣味です」という一文は、ありふれていて目に留まりにくいかもしれません。
だからこそ、ほんの少しの言葉の工夫が、印象をぐっと深めてくれます。
たとえば──

  • 「季節の移り変わりを写真に残すのが好きです」
  • 「日常のふとした瞬間を切り取るのが楽しいです」
  • 「人の自然な表情を撮るのが好きで、友人を撮影しています」

こうした言い方にするだけで、「あ、この人は自分のまなざしを持っているんだな」と伝わります。
趣味の内容を“何をどう撮っているか”まで言語化することが、面接官との距離を近づける第一歩です。

「好き」が伝わる、具体的なエピソードの添え方

好きという気持ちがあるなら、きっとその根っこには何かしらの出来事や思い出があるはずです。
それを、“できごと”として添えてあげることで、より立体的に響きます。
たとえば──

  • 「学生時代、ひとり旅をした先で見た夕日を撮ったときから、写真の魅力に惹かれるようになりました」
  • 「祖父母の家で昔のアルバムを見たのがきっかけで、写真って“記憶を留めるもの”なんだと思いました」
  • 「ペットを飼い始めてから、何気ない表情を逃したくなくて、日々スマホで撮っています」

エピソードは、上手でなくても構いません。“あなたの写真が、どんな気持ちから始まったのか”を知ると、相手の心も動きやすくなるのです。

スマホ写真ならではの強みを活かす表現術

「スマホで撮ってるだけだから…」と躊躇する人もいるかもしれません。
けれどスマホには、他のカメラにはない特別な力があります。
それは、“日常の延長線上にある感動”を、瞬時にすくい取れること
たとえばこんな言い方はどうでしょう──

  • 「スマホで空や街の風景を日々記録しており、気づけば毎月フォルダがいっぱいになります」
  • 「あえて加工はせず、光の入り方や構図にこだわって撮影しています」
  • 「SNSに投稿することで、人と感覚を共有できることに喜びを感じています」

スマホだからこそできる表現や、習慣としての継続性を言葉にすることで、「しっかり考えている人だな」という印象を与えやすくなります。
スマホ写真も、あなたの内面の反射──そう思って、堂々と書いてください。

「写真」をもっと魅力的に見せる──スマホ撮影の工夫と視点

たとえば、目の前にきれいな光が落ちていたとき。
誰かの笑顔がふと、やわらかく揺れたとき。
「撮りたい」と思ったあの衝動に、うまく名前がつけられないまま、
私たちはスマホを手にし、そっとシャッターを押しています。

写真というのは、本当はとても静かな行為なのだと思います。
その人の時間や、優しさや、寂しさまでも写してしまうから。
履歴書の趣味欄に「写真」と書くとき、そこにあるのは、
“撮ることが好き”というよりも、“感じていたい自分でいたい”という願いなのかもしれません。

この章では、スマホという身近な道具を通して
写真をもっと“あなたらしく”伝えるための工夫や視点を紹介します。

「構図や光にこだわっている」と伝えるだけで変わる

写真を撮るとき、私たちは無意識に“選んで”います。
どの場所で、どんな角度で、いつシャッターを切るか──
それは世界の中から、ひとつの視点を選ぶということです。

たとえば、

  • 「主役が引き立つよう、背景の色合いや光を意識しています」
  • 「自然光のやわらかい時間帯に、窓際で撮るのが好きです」

そんな小さなこだわりを一言添えるだけで、「写真=なんとなく撮ってる」ではなく、
“自分の目で世界を見ている人”として伝わります。

スマホだからといって手抜きではない、むしろ細部に宿る感覚を大切にしている。
そのまなざしを、言葉にして届けてみてください。

発信の習慣が“表現”としての深みを与える

誰にも見せずに撮ることも、尊い時間ですが──
誰かに見せたい、共有したいと思う気持ちには、もう一歩先の“表現”があります。

もしSNSに投稿しているなら、それは立派な習慣です。
たとえば、

  • 「Instagramに毎週1枚、自分の“好き”を詰めた写真を投稿しています」
  • 「コメントがつくと励みになって、“また撮ろう”という気持ちになります」

発信することは、自分の気持ちを言葉にして差し出すこと。
それを繰り返している人は、“見せること”にも責任を持っている
履歴書に「スマホで写真を撮って、SNSで継続的に発信しています」と書くことで、
継続力・表現力・共感性が自然に伝わっていきます。

「何を撮るか」より「なぜ撮るか」を伝える

空、道、誰かの後ろ姿。
スマホに並ぶ写真の中で、あなたが“残したい”と思ったのは、そのときの気持ちなのかもしれません。

  • 「忙しい中で、立ち止まった景色を忘れたくなくて撮っています」
  • 「ふと寂しくなったときに、空の写真を見返すと気持ちが落ち着くからです」

そんなふうに、撮る理由をそっと言葉にするだけで、
趣味が“その人の心を支えてきたもの”として伝わります。

履歴書の趣味欄は、あなたの“特技”を書く場所ではありません。
「何を大切にしてきたか」がにじみ出る、小さな窓です。
写真を通して、あなたが世界をどう見ているか──
その感性を、安心して伝えてください。
きっとそれが、誰かの記憶に静かに残る「自己紹介」になります。

履歴書に書くときのポイントまとめとNG例

ここまで読んで、「写真が趣味」と言える自信が少し湧いてきた方へ──
最後は、履歴書という“紙の上の自己紹介”で、どんなふうに伝えると印象がよくなるのか。
そして逆に、どんな書き方だと“もったいない印象”になってしまうのか。
「言葉でまとめる」ための視点と注意点を、具体的に紹介します。

好印象を残す書き方の型

まずおすすめしたいのは、以下の“3ステップ構成”です。

  • ①何が好きか(→写真)
  • ②どんな風に関わっているか(→スマホで撮影、SNSで発信など)
  • ③そこから得ている気づき・感覚(→視点の変化、感受性の育ちなど)

たとえば──
「スマホで日常の風景を撮ることが好きです。構図や光の入り方にこだわりながら撮影しており、
Instagramにも定期的に投稿しています。写真を通じて、“見慣れた日常にも美しさがある”と気づくようになりました。」

このように自分の言葉で、具体的に“どう楽しんでいるか”を描くことで、
趣味の背景にある「人柄」や「姿勢」が伝わりやすくなります。

よくあるNGパターンとその改善例

一方で、惜しい書き方も少なくありません。
たとえば──

  • NG:「写真(スマホで撮る程度)」
  • NG:「特に詳しくはないが、風景を撮るのが好き」

一見、謙虚に見えますが、こうした表現は自己否定や消極的な印象につながってしまいます。
改善例としては、次のように変えると好印象です。

  • ◎:「スマホを使って風景を撮影しています。毎月テーマを決めて撮るなど、工夫しながら続けています。」
  • ◎:「上手ではないかもしれませんが、撮ることを通して心の整理ができるのが好きです。」

“完璧である必要はない”けれど、“楽しんでいる”ことはちゃんと伝える
その姿勢があれば、趣味はあなたらしさを表現する“味方”になってくれます。

“趣味”が“人柄”につながるとき

面接や書類選考で見られているのは、履歴書そのものよりも、
その奥にある「あなたがどんなふうに世界と関わっているか」ということです。

写真という趣味は、言葉では伝えきれない“気づき”や“まなざし”を、静かに語ってくれるもの。
たとえば──

  • 「周囲の変化に敏感」
  • 「何気ない瞬間にも価値を見出せる」
  • 「小さな習慣を続けられる」

そういった資質が、写真という行為のなかに、自然とにじんでいる
だから、うまく撮れていなくても大丈夫。
あなたが“何を見て、どう感じて、なぜ撮ろうと思ったか”を素直に書くことが、
誰かの心に届く履歴書になるのです。

スマホ写真でも、あなたの“まなざし”は伝わる

履歴書の趣味欄に「写真」と書くのは、少し勇気がいるかもしれません。
ましてや、スマホで撮るだけなら「本格的じゃない」「趣味と呼べるのかな」と不安になる気持ちも、よくわかります。

でも、趣味は誰かに認められるためにあるものではなく、自分が続けたくなるもの
あなたが毎日見て、感じて、撮ってきた一枚一枚のなかに、あなたという人の“まなざし”が映っているなら、
それは立派に「写真が趣味です」と言っていい理由になるのです。

写真は、技術だけではありません。
ピントが少しずれていたって、構図が完璧でなくたって、
「なんでこの瞬間を撮りたいと思ったのか」という気持ちがあれば、それで十分。

むしろ、その“撮りたかった理由”こそが、履歴書の欄に書ける一番の答えなのかもしれません。

もし、あなたが日常のなかで、ふとした瞬間にスマホを手に取ることがあるなら。
それは、あなたが世界に対して「ちゃんと見ていたい」「感じていたい」という気持ちを、
今もちゃんと持ち続けている証です。

面接官や採用担当者が読み取るのは、趣味の“上手さ”ではなく、
その人がどんなふうに日々と関わっているのかという温度です。

・「見落としがちなものに目を留められる人」
・「一瞬の美しさを大切に思う人」
・「続けることに意味を見出す人」

あなたのスマホの中に、そんな心の記録があるなら、
ぜひその一片を、言葉にしてみてください。

写真は、たった一瞬のシャッターで、たしかな“人柄”を伝えてしまうことがあります。
それと同じように、たった一行の趣味欄が、あなたの人間性をそっと届けてくれることだってある。

だから、書いてください。
「スマホで写真を撮るのが好きです」と。
その一行が、あなたのこれからの扉を、静かに開いてくれるかもしれません。

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